株式会社交通新聞社

事業のデジタル対応に欠かせないマーケティング力の底上げに成功。 デジタルを活かした提案から受注が生まれた背景

多彩なコンテンツを支える「とがった人材」

―― 交通新聞社様が提供する商品・サービスについて教えていただけますか?

眞室さん:
弊社は、株式会社弘済出版社と株式会社交通新聞社が合併して誕生しました。

主な事業は出版業で、BtoC領域では『JR時刻表』をはじめとする鉄道関連書や、『旅の手帖』『散歩の達人』など趣味・観光に関する雑誌、児童書などを、BtoB領域では鉄道の時刻表などの公式データを各企業に提供する事業も展開しています。

近年は、趣味・観光などに立脚した「地域活性化」をテーマに新たな仕事を創出していこう、と目標を立てて活動しています。その過程で、雑誌にとどまらずデジタルメディアも活用して、SNS活用やインフルエンサー起用といった道も模索しながら事業創造にチャレンジしています。

―― 貴社は現在、どのような業務体制で働いているのでしょうか?

眞室さん:
市販出版事業については、編集チームと販促チームが連携し合う体制です。本・雑誌などのプロダクトを作る時は、マーケットを確認しながら各チームで協議しつつ仕事を進めます。

規模としてはBtoBの事業規模も大きく、パンフレット、社内報、年史といった企業や自治体からの特注出版物、雑誌広告、時刻表のデータを活用した製品などの、BtoB営業の業務も多く存在します。
働き方としてはフルフレックス体制で、リモートワーク制度もあります。割と女性の割合が多い職場だと思いますね。子育て世代が働きやすい環境づくりにはチカラを入れています。

釜石さん:
いい意味で「とがった人材」が多いと感じます。特に編集チームのメンバーは、お酒やラーメン、相撲や鉄道といった特定の分野にすごく精通している人が多いです。

書籍を作る際は、「献本」といって著名な方々に本をお送りすることがあります。とある書籍の担当が「この本はどんな方に献本すればいいだろう」と全社チャットでアイディアを募ると、次々と声が上がるんです。その結果、新聞紙の書評やラジオなど複数のメディアで取り上げてくれたことがありました。組織の集合知が発揮された出来事で、とても面白かったですね。

interview_kotsu-shimbunsha_2-800x533眞室さん(事業開発室)

 

対応が急務だった「デジタルシフト」と「マーケティング」

―― 事業を推進する中で、課題の一つが「マーケティングスキルの底上げ」だったとお伺いしました。

眞室さん:
そうですね。編集やデザインのスキルレベルは高いものの、マーケティングに関する知見はそこまで達していない状態でした。社員へのアンケートでは、たびたび「マーケティング力を強化したい」という声が上がっていたんです。

ただ、具体的にどうすればいいか分からなくて。「マーケティングを強化しよう」といっても、SEO強化と捉える人、定性調査と捉える人、SNSでの情報収集と捉える人と、意識がバラバラでした。いざデータ収集しようという決断を下しても、Google Analyticsをはじめとしたツールをうまく活用できずにいました。

釜石さん:
出版業界では、ここ10年しきりに「デジタルシフト」が叫ばれてきました。とはいえ、弊社には紙媒体に従事するメンバーが多くいます。そうした状況下で、マーケティングの重要性や定義を浸透させることが、大きな課題となっていました。

―― どのような経緯で「グロースX マーケティング」に出会い、導入しようと決断されたのでしょうか?

眞室さん:
当時の弊社の中期経営計画には、ブランドビジネス深度化、マーケティング強化、デジタルサービス拡充といった目標が掲げられました。これらの目標にどう取り組むかと考えて、今のままだとなかなか難しいなと感じていました。

そんな中、あるオンライン展示会で、グロースXさんのプレゼンテーションを拝見したのです。「マーケティング施策に必要な50のスキル」というテーマの発表を聞き、しっかりと体系化された知識を学ぶことは非常に重要だと感じました。

そこで、別の部署だった釜石に「こういうサービスあるけど、どう?」と相談したという経緯です。

釜石さん:
私は当時、他社のデジタルマーケティング講座を1人で受講していました。この知識をメンバーにも広めたいと思い、社内で勉強会を開こうか悩んでいたところに眞室から話を聞いたんです。

「グロースX マーケティング」は複数のメンバーでディスカッションしながら学べると聞き、弊社にぴったりな講座だと思いました。

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釜石さん(コミュニケーションデザイン事業部)

グロースXがキッカケで、提案の受注に繋がった

―― 「グロースX マーケティング」を導入した効果はいかがでしたか?

眞室さん:
マーケティングの共通言語化の必要性が、しっかり社内に浸透したと思います。受講者からの声も良好で、「全員が必修とすべき内容だった」「学習のモチベーションを維持しやすくて、業務の悩みを相談できる場もあったのがよかった」「今回学んだことを生かして取引先に企画を提案したところ、受注獲得に繋げることができた」などの反響がありました。

「社内にマーケティングの共通言語を持つ人を増やす」という点で、大いに成功したと感じています。その結果、2023年度に2期目の受講者を募集することになりました。

―― 「受注獲得につながった」というエピソードについて、具体的に伺いたいです。

釜石さん:
弊社は雑誌編集で培ったコンテンツ力を生かして、お客様のオウンドメディア運営などを支援しています。ある企業様に、グロースXの学びを活かして「カスタマージャーニーなどを設計して、オウンドメディア以外にこういうタッチポイントを作り、こういうプロモーションをやった方が良い」とクロスセルの提案をしたところ、新たな受注へとつながりました。

こうした提案は、今まで出来ていませんでした。しかも受注に繋がったということで、弊社にとって大きな一歩となりました。

また、「グロースX マーケティング」を通じて自分たちの強みを言語化できていなかった事実に気づくこともできました。

弊社はこれまで、自社の強みであるコンテンツ力について、あくまで「私たちが作るコンテンツは面白い」という主観的な語り口しか発信できていませんでした。それに対して、「こういう理屈があるからいい」という分析や言語化ができるようになり、コンテンツ力という強みを捉え直すことができました。その成果が、今回の受注につながったと思っています。

―― 学習が成果につながったのですね! 私たちも嬉しいです。「グロースX マーケティング」の学習体験について、「ここが良かった」と感じる点はありますか?

釜石さん:
スマホアプリで学習できるという手軽さが良かったです。私は通勤中など、移動時間を生かして勉強していました。

あと、弊社は自己研鑽を積極的に支援していますが、ひとりではなく「誰かと学ぶ」という体験が新鮮でした。学んだ内容を共有する場や議論する場をグロースXさんに用意していただいて、とても楽しかったです。

メンバー同士での学習の場では、マーケティング調査を元にペルソナ設計をするというテーマが特に盛り上がりましたね。

眞室さん:
受講者は別々の部署で勤務していますが、新しいサービスや商品を考えようと集まった時、共通言語で話し合えていると感じる瞬間が増えました。受講者が増えれば増えるほど、このインパクトをより強く感じられる気がします。

釜石さん:
講座を通じて、講座内容以外でも悩みを相談し合ったりと、人間関係もより深まりました。

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企画・販売の最前線に、マーケティングの考え方を

―― 「グロースX マーケティング」を通じて、今後取り組んでいきたいビジネスの展望や組織作りの展望をお聞かせください。

眞室さん:
「デジタルシフト」を通じて、新たなサービスを続々と生み出し、売上や利益に貢献していきたいです。その過程において、マーケティングの知見が活かされ、社内の複数の部門が影響し合う好循環が生まれていくのが、理想的な組織の姿かなと考えています。

釜石さん:
そのためにも、「グロースX マーケティング」で培われた共通言語を、いかに当たり前にできるかが重要だと思います。

会議資料などに学んだ内容を落とし込んでいっても、共通言語として根付いた上で会話できる。そうなれば、私たちはより上のレベルで事業を考えていけます。

―― 「グロースX マーケティング」は、どういった部署におススメでしょうか?

釜石さん:
社内の共通言語として、全社的に必要だと思いますが、特に営業部門に学んで欲しいですね。どうやってサービスを売るかを、先頭で考えて企画する部署ですから。マーケティングを活用して、どのように顧客との接点を作るかを学んでほしいと思います。

眞室さん:
弊社の話ですが、2023年度から、営業チーム内の販促メンバーや制作チームが増えることになりました。出版業界にとって、これまでは「書店で本・雑誌を売る」、編集者が主体で出版物を出すという傾向にありました。ですが、書店というお客様とのタッチポイントが減り続け、顧客ニーズが多様化する昨今、他の手段をどう確保して物を売るか、顧客のニーズをどのようにつかむかという点で、確かな手段を見出せずにいました。

そうした課題解決を模索する知識を学ぶツールとして、営業・制作メンバーと「グロースX マーケティング」を学んで、一緒に手段を模索していきたいです。

 

(インタビューご協力:株式会社交通新聞社 様)