オーケー株式会社

好調ディスカウント・スーパー「オーケー」が、幅広い部門でAI学習を導入した深い理由

 

人力に頼る店舗運営の改善に向けてAIの活用を考えた

―― オーケーさんには、「グロースX AI・DX人材」を導入していただきました。スーパーマーケット業界でもDXに注目が集まっていますが、オーケーさんのIT戦略の中でAIはどのような位置付けにあるのでしょうか。

田中さん:

実は、当社はまだそこまでDXが進んでいるというわけではないんです。誠にありがたいことに、多くのお客様のご支持をいただき、業績は30年以上伸び続け、あまりDXの必要性を意識せず会社が成長してきました。「高品質・Everyday Low Price」、つまり品質の良いものをお安くご提供するという、今までの取り組みをきちんと徹底していれば大丈夫という考えがあります。

ただ、店舗数も従業員数も増える中で、人の負担が増えている部分もあり、人力でなんとか回っているところも多く、IT本部としてはその改善にAIを使えないかと思っていたんです。

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執行役員 IT本部 本部長 田中覚氏

―― AIを学ぶ教材として「グロースX AI・DX人材」の導入を決めた背景をお聞かせください。

田中さん:

まず、AIの勉強は私だけでしても仕方がないと思いました。というのも、オーケーは順調に成長できている会社なので、新しいソリューションで改革を起こすというよりも、みんなが普段から取り組んでいる業務に対して、改善や効率化をするという方の親和性が高いんです。

その際、私がトップダウンで進めるよりも、現場に近いメンバーがそれぞれの領域でAI活用の可能性を見つけて広げてもらった方が、結果的に会社としてのAI活用能力が上がると考えました。

そこで、私も含めて現場のメンバーも一緒に勉強できる方法がないかと勉強会やトレーニングを探している中で「グロースX AI・DX人材」に出会いました。スマホで隙間時間にチャット形式で学んでいくという形式が時代に合っていて面白いと思いましたし、すでにデジタルマーケティング領域で「グロースX マーケティング」を提供されて実績を出している会社だったので、信頼性が高いと思いました。

 

ベンダーが売り込むツールを適正に評価できるようになった

――「グロースX AI・DX人材」での学びが役立ったと感じたことはありますか。

荒川さん:

ちょうど昨年から「DWH(データウェアハウス)」の再構築を行っていて、これからそこで整えたデータを活用しようとしていたタイミングだったんです。いろいろな会社からAIツールの提案をいただく際に「グロースX AI・DX人材」で学んだ内容がかなり有効活用できていると感じています。たとえば、そのツールを使うために、どのような過程やデータが必要なのかといったことが想像できるようになりました。

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IT本部 DX推進部 マネージャー 荒川健児氏

田中さん:

ベンダーさんは、一番難しいところをオブラートに包んで、「結果が出る!」という話ばかりをするんですよね(笑)。こちら側がAIの仕組みをよく分かっていないと、勢いにのまれて納得させられてしまうことがあるんです。

でも、実際にツールを業務で活用するためにはデータの準備が必要で、そこが意外と大変だったりします。「グロースX AI・DX人材」の学習を通じて、その辺りを理解したうえで話ができたのでツールを的確に評価できるようになりましたし、PoCのクオリティも上がりました。

また、企画から運用までの全体のロードマップを考えたときに、費用対効果や将来の運用という面から、ソリューションを変えてみようという判断もできるようになりました。一部のプロジェクトでは、いきなりツールを導入するのではなく、まずはデータサイエンティストにモデルを構築してもらってからスタートさせるという判断ができましたね。

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「心技体+知」として、AI活用の具体的な事例からAI企画を立案するための考え方、AIを「自分ごと」として捉えて導入プロジェクトの推進するための方法までを教えている

スマホで気軽に学べて、学習の切り口も分かりやすかった

―― 部門のメンバーの皆様は、実際に「グロースX AI・DX人材」で学んでみて、いかがでしたか。

田代さん:

私は新卒で入ったばかりで、IT知識はほとんどなかったのですが、操作やデザインも分かりやすくて、学習の切り口も難しくないので内容が入ってきやすく、進めやすかったですね。

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IT本部 DX推進部田代結子氏

安藤さん:

とても勉強になりました。生鮮部門のバイヤーをサポートするMD室の室長にも受けてもらったのですが、面白いと感じてもらえたみたいです。途中、AIやITの専門用語が出てくるところは少し難しかったようですが、それ以外の部分では学習スピードが一番速かったです。総じて、スマホで気軽に、会話形式で楽しく学べたということが良かったようです。

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IT本部 DX推進部 安藤綾香氏

需要予測、店舗案内のチャットボット…AI活用の構想が広がる

―― 学習を通じて、具体的にAIの導入を考えている業務はありますか。

田中さん:

当社は、店舗や自社の物流センターを運営していますが、各担当の業務効率化のため、データを使ってAIで先の予測を立て、より計画的に動けるようにできればいいなと思っています。

それから、この春に会員アプリを新しくリリースする際には、そこでの商品レコメンドにもAIを活用できたらと思っています。過去の購買履歴をもとに、安くなった商品の中から一人ひとりのお客様に合わせておすすめ商品を選りすぐることに使いたいですね。

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イラストや図表入りの分かりやすい事例が100以上。事例を学ぶことで、自社にどのようなAIが必要なのか考えることができる

荒川さん:

僕は需要予測でAIを活用するということは以前からイメージできていたのですが、「グロースX AI・DX人材」での学びを通して、たとえばAIカメラで品切れの状況やレジの混雑状況を可視化して通知をするといったように、それ以外の識別系のAIでも当社に合いそうなものがイメージできるようになりました。

安藤さん:

私も学びながら、製造数を予測するAIが浮かびました。店内加工が必要な生鮮食品について、売り場の残数がなくなってから製造するというのでは遅いので、AIが売り場の残数を検知し、そのデータから前もって必要な製造数を予測できるようになれば、常に売り場に品揃えが保てる状態になると思いました。自動発注の予測では客数予測も必要になるので、それとあわせてできそうですよね。

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学習後には、「グロース X AI編」で学んだフレームワークをもとにメンバー全員がそれぞれAI企画を考えて発表し、講評し合うワークショップを開催した。この企画は、人気商品であるピザの不良品発生を減らし、製造工程を効率化する狙い。

――どんどんAI企画が生まれているわけですね。グロースXでは、受講者全員がアプリを通して同じように学ぶことで共通認識を形成していくことも大事な価値だと思っています。そのあたりはいかがでしたか。

田中さん:

そうですね。将来、AIによって社会や会社がこうなるのだろうというビジョンが共有できたと思います。あと、「グロースX AI・DX人材」で学んだことの理解を深めるために勉強会を開いたのですが、そこでAIについて話す共通のプラットフォームがつくれたことは良かったですね。

安藤さん:

私は「グロースX AI・DX人材」に合わせて、社内勉強会を月に1回、開催しました。主旨はAIの専門用語に対する理解をできるだけ深めてもらいたいというもので、用語について一つずつお互いに説明し合うことで意味を腹落ちさせたり、耳から言葉が入ることで用語に対する親しみが生まれたりすることを狙いました。

田中さん:

たしかに勉強会の効果は大きかったですね。「グロースX AI・DX人材」では、4カ月目からデモ形式でAIツールを実際に体感できるようになっていますが、そこでみんなの足並みを揃えられるように勉強会でレベルの底上げをしましたね。オーケーでは、実務でまだAIツールを使っていないので、デモを通して、理解を深められたのも良かったです。

安藤さん:

デモを体感したあとに難しいワードの理解度を問われますが、勉強会ではそれについてディスカッションできたことも良かったと思います。それで、なんとなく分かった気になっていたけれど、理解できていないということがきちんと認識できたのは大きかったですね。

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オーケー株式会社のAIスキル。左が学習前で、右側が学習後の状態になる。AI基礎用語力やAI構造理解力をはじめ、多くの項目で成長が確認できた。また、実際にユーザーの多くが6ヵ月のコースをやりきることができた。

 

―― 最後に、今後の組織や店舗の運営においてAIをどのように活用していきたいか、展望をお聞かせください。

 

田中さん:

今はまさに止まっていたPoCが動き出そうとしていて、会員アプリの商品レコメンドに取り掛かろうとしているところです。AIで品揃えを保つということも、どうすれば実現できるかという筋道が見えるようになってきているので、取り組んでいきたいと考えています。

ほかにも、会議の文字起こしにAIを活用したり、業務報告書や会議の議事録をAIで要約したりと社内の業務改善にもAIを活用し、日々の業務のクオリティ向上も図れればいいですね。

 

(インタビューご協力:オーケー株式会社 様)

 

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