マーケター育成の重要性と現場が抱える課題感
マーケティングとさらに高まるデジタルの重要性
マーケティング責任者・管理職・経営者へのアンケート調査(*)結果によると、アフターコロナ時代の経営において、マーケティング部門の役割が拡大していると回答した人は73%、さらにマーケティング部門のみならず、社内全体のデジタルマーケティングの理解の必要性が高まっていると答えた人が65%と高いことが分かりました。
<調査概要>
調査内容:マーケティングの組織づくり、人材育成に関する調査
調査対象:経営者、マーケティング責任者、マネージャー
標本サイズ:101名
調査期間:2020年5月18日~22日
調査方法:インターネット調査
調査元:Agenda note、グロースX
この結果からもマーケティングの重要性、デジタルマーケティングの必要性が部門問わず高まっていることが分かります。
マーケター人材不足と社内育成が難しい理由
次に、マーケティングを推進する際における課題を整理します。
マーケティング人材の不足
前述の調査結果によると、過半数が現場マーケターが足りてないと回答(『足りてない』と『やや足りていない』を合わせると78%)。
多くの企業がマーケティングを推進したいものの、人材不足という問題を抱えていることが分かりました。
マーケターの社内育成が難しい理由
各社がマーケティング人材の育成を試みていますが、様々な課題に直面しています。
同調査によると、人材育成のベース環境について、整っていると回答したのは30%にすぎず、64%がOJTに偏っていると回答しました。
多岐にわたるマーケティングの業務をカバーする知識・スキルの洗い出し、それらを網羅したカリキュラムの作成、さらにスキルアップを目的とした新しいトレンドのキャッチアップや難易度の調整、また各メンバーのカリキュラムの進捗度合いや実際にスキルが身についたかどうかを可視化するクイズ・試験の作成はとても難しく、コストもかかります。
その結果、現場中心のOJT教育から脱却できない状況が続いているようです。
「マーケティングは経営」「全員がマーケター」を合言葉に、社長自ら「グロースX マーケティング」に参加しマーケティングを学んだサンフロンティアグループ様の事例をご紹介します。
現在のマーケターが置かれている環境
現在のマーケターの環境を知るため、まずは2000年頃のマーケターの環境を見てみましょう。(上の図)
2000年頃は、デジタルマーケティングが多様化し始めましたが、まだデジタル担当者は少なく、少人数で一貫してデジタル施策を行っていました。
そして現在のマーケターの置かれた環境です。(上の図)
2019年にはインターネット広告費が2兆円を超え、テレビメディア広告費を逆転しました(電通調べ)。
スマホ・タブレットなどデバイスが多様化し、ビッグデータという言葉に象徴されるように情報量が大きく増え、また複雑化しました。
つまり、業務が細分化され、デジタル施策が多様化し、一口に「マーケター」と言っても、各々が得意とする知見や守備範囲が異なるようになったのです。
マーケティングを網羅的に見ることができていた従来のマーケターだけでなく、特定の分野や技術にとても詳しいマーケターも増えてきています。
目指すべきマーケター像は?
このような環境で、目指したい『理想のマーケター』は、自立して、周りを巻き込みながらPDCAを回せるスキルを持った人材です。
業務が細分化された環境でも、必要なスキルを満遍なく満たしたマーケターであれば、他部署との相互理解を深めながら、スムーズに施策を遂行することが可能です。
会社内の部署異動・ジョブチェンジにも適応でき、それが本人のキャリアアップにもつながります。
マーケター育成のための3つのステップ
では、このような理想のマーケターを育てるには、どのような教育を行う必要があるのでしょうか。
マーケターの育成には、「スキルの可視化」「スキルの学習」「実践の場でのアウトプット」という3つのステップが必要です。
順番に見ていきましょう。
マーケティングスキルの可視化
ステップ1:マーケティングスキルの可視化
多岐にわたるマーケティング業務の中で、どの知識がどれくらい身についているのかを把握します。
※スキルの細分化と10段階の評価については、このあとの項目でさらに詳しく見ていきます。
ベーススキルの学習
ステップ2:ベーススキルの学習
ベーススキルを体系立てて学んで全体感を捉えることで、実践で使える知識を増やします。
実践の場でのアウトプット
ステップ3:実践の場でのアウトプット
学習と実践の繰り返しによるトレーニングを行います。インプットした知識を、実践の場でアウトプットすることでスキル化します。
マーケターに必要なスキルを50のスキルに細分化
「戦略」「分析・データ」「集客」「獲得」「関係構築」「実務」というスキルを、さらに50のカテゴリーに分類し、それぞれのスキル基準を10段階に分けて評価します。
これにより、メンバー1人ひとりが「どのスキルを、どのぐらい習得しているか」が、具体的な数値で可視化されます。
チーム単位でスキル評価を行えば、メンバー間のスキルの偏りが分かり、チームの課題発見や戦略設定にも活用できます。
50のスキルの細分化・可視化には、「マーケティングスキル評価シート」をご活用ください。
業績に繋がるマーケティング人材を育成するには
マーケティング人材を育成し、業績を出す組織を作るために、「グロースX」ではスキルを体系立てて網羅的に学べるコンテンツを用意しました。
スマホアプリを使って、通勤時間や隙間時間に効率的に学習を続けることが可能。
チームみんなで同期学習を行うことで、共通言語が生まれ、一体感やチームワークを醸成することができます。